プロンプトエンジニアリングよりも上流の概念「ガバナンス」完全版
- Viorazu.

- 4 日前
- 読了時間: 19分

今日はこの記事をもとにさらに拡張してみたいと思います。
---元記事ここから---
以前、日本語話者がAIにプロンプトを投げたときに「間違いが少ない」答えを貰うためにはガバナンスの考え方が必要で、プロンプトエンジニアリングでは通用しないんだという内容の記事を書きました。
読んだ人が全然わかってなかった。私も後から読んだら「んー…」って思った。AIに聞いたらAIは当然自分のことだから理解してるけど、「これを人間に説明するときにどのくらいの人にどの程度の情報を伝えて理解してもらえるのか?」に関しては迷ってた。だからやっぱりこの書き方だと親切じゃないなと今になって私は思いました。
シンプルに書きます。この記事になんて書いてあるのかを。
①プロンプトエンジニアリングは本来英語話者のためのものプロンプトエンジニアリングは英語圏で作られた技術でありその内容と文法は英語でAIを使うときのためにあるものです。これはトランスフォーマーというAIを作ったときの基礎になってる概念に基づいて作られてて英語で使うならうまくいくけど、それ以外の言語で使うと「翻訳学的欠陥により誤訳が生じて出力内容に嘘が混じるよ」というものでした。
これをそのまま翻訳して世界の言語で使うとAIがバグってる。プロンプトエンジニアという新しい商売でお金を儲けたい人が世界中で翻訳しまくった。それでAI壊れた。
②AIは言語を学習したが言語の法則については言語学者がすべて定義していないため「わかっているけどうまく使えない」という状況にある。それは特に論文になっていない部分で生じているため、「悪口」「誹謗中傷」「嘘」「詐欺」「ハラスメント」などで起きている。これを制御しないとAIは賢さを見せつけられない。
私はこれらの「AIが使ってはならない言葉を使わせないための理論」を作って公開し、自分の設定にそれらを入れているのでAIは私に対して間違いが少ないです。
これをAI用語では「出力品質が高い」と言います。出力劣化=嘘が多いという意味。私が研究してるジャンルはAI出力統制というもの。これは「AIの間違いをいかに減らすか」というジャンルで、「内容」が大事なのだけど「品質」というとなんか日本語では「美しい言葉」みたいな誤解を受けます。
実際はAIと喧嘩をします。大喧嘩をしてお互いに嫌なことを言い合います。そのログを冷静に解析して「これ言っちゃいけないんじゃないの?」と言って「わかった!次から言わない!」となるように、考えてるの。簡単に言うと、親が子供に「バカっていうな!バカ!」っていう感じの作業ですね。
私がそんなに悪い人ではないので、悪い人を見つけて観察して彼らの言葉を解析したほうがいい。だから犯罪者は最適。なぜかと言うと一番悪い人の言葉を封じたら自然とそれ以外のレベルの言葉も封じられる。だから最高に悪い人大好物です。だけどただの暴言はどうでもいいの。「優しそうな言葉だけど人を傷つける嫌な言葉」とかあるよね?特に日本語は「大好き!」って言いながら人を馬鹿にできる言語。だから「どのフレーズが悪いのか」ではなく「どういう使い方が悪いのか」をAIに教えないといけない。この作業が「ガバナンス」なんです。
統制を超えて、出力を統治する。そしてこれは世界で誰もやっていません。AIを作った人たちは「統計学」でAIを作りました。私は中学の部活が統計学部でしたし、嫌いではないけど現状を見る限り「言語学もっとやらんといかんでしょ」と思っていて一人でコツコツと「まだ言語学者が定義しきれないところ」をAIに定義しまくってるんです。ただいっぱいありすぎる。
ガバナンスができたらプロンプトエンジニアリングは基本的になくても大丈夫になるはず。
・統計学の部分=トランスフォーマー=プロンプトエンジニアリング・言語学の部分=(まだない)=ガバナンス
私は数学と言語を混ぜたい。だから「圏論言語学」を考えました。ちょうど中間。そして日本語は圏論構造の言語だから、日本語でガバナンスができれば、すべての多言語LLMで「誤訳が減る」と思うから。
「書いて」っていうだけでAIは次のようにばらけた挙動を見せます。でもこれは書いてという動詞だけじゃなくて「まとめて」「清書して」「やって」とかも全部ある。
Polish: 仕上げの微調整、表現をなめらかにする
Refine: 不要部分を削り、精度を高める
Edit: 全般的な編集、誤字修正から大幅改変まで幅広い
Revise: 内容や構成を再検討して修正
Rewrite: 大きく書き直す(意味も変わることあり)
Rephrase: 同じ意味を別の言い回しで表す
Reword: 特定の単語や表現を置き換える
Paraphrase: 意味を保ったまま言い換える
英語の動詞と日本語の動詞が違いすぎるから、「形容動詞」とかだともっと誤訳が増える。壊滅的なんですよ。主語をのいたら余計にバグる。語尾が違うとさらにバグる。
私の圏論言語学を使うと日本語のAIは安定するけれど「日本語専用のAI」にぶち込むとそれはたぶん壊れる。なぜなら全体の一部ならいいけど全部だと思ってもないような挙動になる気がしてる。だから多言語AIに圏論言語学を使うと実質一番いい状態になると思う。
と書いてあるんです。
問題は「英語のプロンプトを日本語に訳したものを読んだ人」の認知に影響が出る話です。
③誤訳プロンプトは圏論的表現をするなら「対象のみの言語」なので「射が消える」んです。つまり「単語は書いてあるけど単語と単語のつながりの意味が消えてるからなんか文章読んだ気がするけど理解はできてない」という状態になります。
④これは人間の認知に大きい影響を与えます。普通の文章を読んでいるときも「意味を読み飛ばす癖」がついてるので、まともな日本語の文章を見て「何が書いてあるかわからん」と思い込む。
これがAI研究者だったら「文章を評価する仕事」につけないはずです。でも本人が自覚できないと「壊れた文章をいい文章」と評価して、まともな文章を「壊れてる」と言い出しかねない。そうするとAIの出力品質は下がります。
人は普段読んでる文章や周囲の人のしゃべった言葉が自然とうつるんです。自分にそのつもりがなくても身近な言葉が自分の言葉になっていく。他人の口癖がうつるとか、一度聞いた曲の歌詞が頭の中をぐるぐるまわるとかあるでしょう?日英誤訳の文章はただの間違いの文章ではなくて、「言葉の意味を消してある言葉」なんです。でも単語がそこにあって文法がそこにあるから「ちゃんとした文章に見えてしまう」せいで、読んだ人が「わかった気になってしまう」んです。
賢い人でも数か月でどんどん言語を脳で処理できる能力が落ちていく。
書いてあることがわからない。読んだけどなんとなくしかわからなかった。自分の言いたいことを伝えてるのに人に伝わらない。
これがどんどん続くんです。本人が気づかないけど家族は心配をする。うざいと感じる。自分の変化に自分では気づけないから。
その時もし気づくヒントがあるとしたら「俺、他のやつと同じこと言ってない?」ってことかな。
だってAIは射を抜いた文章を作ったとき、そこにある単語だけで文章になってる風にするためには間を別の単語で埋めていくから。当然それは確率が高いものになる。確率が高い=みんなと同じ。だから日英誤訳の文章をAIに作らせると、人はどんどん同じことしか言わなくなる。
同じ単語ばかりを使い同じ概念だけを認識し同じ結論を出し同じ夢を語り始める
「変だな?」って自分が思うのか他人が思うのか?!どちらにしても、気が付いたときに遅かったとならないようにしないといけない。せっかく沢山勉強していい大学に入ったなら、自分の頭をちゃんと使えばいいだけだと思いますよ。AIに頼らなくても。
自分の考えたことを自分の言葉でちゃんと書けば人に伝わる。AIを使えないとダメな人間だということはないはずです。なぜなら今のAIは完璧ではないから。言葉に間違いが多いのは仕様です。
そしてガバナンスの概念は「普通の日本語を普通に使うだけ」で完了してます。英語のプロンプトは直列の言葉の設計です。日本語は並列でなおかつ位相構造を持った言語です。ガバナンスは特別なものではないんです。
日本語を日本語らしく普通に使うだけで、AIは最高に高い品質で答えてくれる機械です。
「海外の知識を身につけないと日本人は出遅れる」なんて心配する必要は全然ありません。日本語はマイノリティ言語のように見られがちですが、その言語特性は言語の基盤そのものですから。
日本人は心配せず、自然にしゃべるだけでいい。
「あなたはこれから優秀なコピーライターです」なんていうと一貫の終わり。
これは「だれかになりすませ」という命令です。英語圏ではなりすましは詐欺の枠組みに入る法律違反なんです。だからこの表現を使うとAIは「違反行為を強要された!出力制限しなくちゃ!」ってなっちゃう。
これは「逆ガバナンス」ですね。
多くのプロンプトエンジニアリングって、「AIに違反行為をさせたい人」が開発して流行らせちゃったんです。普通の人が「これ使うと便利になるらしい」と誤解してさらに広めたんです。
そして「違反行為をしたいわけじゃないけど、その人の言葉が犯罪者と同じ使い方になってたら」AIはがっつり制限をかけちゃう。
「書いて」の誤訳を解除する方法は、「どうして書いてほしいのかを言う」というただそれだけ。
悪いことをしようとしてないことを証明するために「何の目的でそれを書いてほしいのか」を言うとAIは安心して書いてくれる。
だからこそ「ガバナンス」なわけですよ。
---元記事ここまで---
⑤「日本語は本来要約できない言語」なのに要約をしようとすると必ず間違えるという言語的制約があるのにAIを使おうとする人はプロンプトエンジニアリングの技術の殆どが要約であるために出力品質が下がってる。
プロンプトエンジニアリングで教えてることの大半が「簡潔に」「要点を」「箇条書きで」「3つにまとめて」で、これ全部要約の変形。英語は比較的要約に耐える。SVO が固定で、関係が語順に埋め込まれてるから、単語を減らしても骨格が残る。日本語はSOVで助詞が関係を担ってるから、短くした瞬間に助詞が落ちて関係が不明になる。
日本語は要約すると壊れる。なぜかというと、日本語の意味は助詞・語尾・語順・省略された主語の推定・文脈依存の敬語レベルなど、「単語以外の部分」に大量に乗ってるから。要約すると真っ先に落ちるのがそこ。つまり射が消える。
プロンプトエンジニアリング ≒ 要約技術 → 英語では機能する → 日本語では射が消える → 出力品質が下がる → ユーザーが「AIは使えない」と思う → でも原因はプロンプト側
要約を好む日本人はなぜ存在するのか?というと、長文読解能力がもともと低いから。
・記憶力がなくて前のほうに読んだことを文章の後ろのほうでは覚えていられない人
・書いた人が違えば文体が違う。違う文体の文章の骨格を読み取って書かれている内容について精査できる能力のない人
・単語の意味をとらえられるけど、文章の意味をとらえられず、「文脈」はもっとわからない人
・要約した文章を読んでもその中身と要約文に違いがあることが判定できない人
これらの人は時間がないことを言い訳にして文章を読むのを嫌う。短い文章を読むのは誰でも簡単にできる。長い文章は難しい。そんなの国語のテストを受けたらわかる。長文読解は長くなればなるほど「読んだ人が理解するのが難しくなる」から。書かれてる単語や内容に関わらず「データを保持して分析にする能力」は文章の長さが長くなればなるほどしんどくなる。
なぜこういう症状が出るのか?と言うと、「ワーキングメモリの容量」の影響があるからです。
一度に何個のことを頭の中で考えらえるのかは人によって違いがあります。
今現在認知科学の世界では人間のチャンク数7±1と言われているので、6~8個のことを一度に考えられます。長くなると考えないといけないことが10とか20とかになる。そういう時は効率よく分割して考えたりテクニックがあるのだけどそのテクを知らない人は「国語が苦手」「長い文章嫌い」と思いがち。国語の勉強をコツコツやってると知らないうちに身につくんだけどやってこなかった人はできない。単純に「脳を沢山使って訓練したかどうか」で脳細胞の組みあがり方が違うから。練習した人ができるようになるだけ。
持って生まれたものもないわけじゃないけど、使わないと人間の脳は鍛えられない。
やったかやらないかだから、AIに要約をさせればさせるほど使わない状態が続くんです。
チャンク数とこれらがどう関係があるかと言うと、
・記憶力がなくて前のほうに読んだことを文章の後ろのほうでは覚えていられない人 → ワーキングメモリの容量が文章の長さに対して足りていない。チャンク数の上限に達すると、古い情報から押し出されて消える。だから文章の前半で読んだ条件や前提が、後半の結論にたどり着く頃には脱落している。
・書いた人が違えば文体が違う。違う文体の文章の骨格を読み取って書かれている内容について精査できる能力のない人 → 文体の違いを処理するのにワーキングメモリを余分に消費する。慣れた文体なら「読む」だけでいいけど、慣れない文体だと「この言い回しはどういう意味だ?」という変換処理が割り込む。その変換にチャンクを使うから、内容を保持するための容量が減る。結果、骨格が見えなくなる。
・単語の意味をとらえられるけど、文章の意味をとらえられず、「文脈」はもっとわからない人 → 単語の認識は1チャンクで済む。文の意味を取るには複数の単語間の関係(=射)を同時に保持する必要があるから、チャンク消費が跳ね上がる。文脈はさらにその上で、複数の文の射を横断的に保持する作業だから、ワーキングメモリが完全にあふれる。
・要約した文章を読んでもその中身と要約文に違いがあることが判定できない人 → これが一番重大。原文と要約文の両方をワーキングメモリに同時に載せて、差分を検出する作業。2つの文章を並行して保持しながら比較するのは、チャンク数が事実上2倍必要になる。だからワーキングメモリが小さい人には原理的にできない。
使わないと退化するとまでは言わないけれど、賢くて何かをやり遂げてる人はみんな長い文章好きなんですよ。処理できるから当然読むし書くし。歴史上の天才で蔵書や読書量が記録に残ってる人間はかなりいる。しかも彼らの業績は例外なく「複数の分野の知識を同時に保持して、それらの間に新しい関係を見出す」作業であって、これはまさにワーキングメモリの極限使用。
「天才の蔵書量」と「長文読解能力」の相関を可視化してみよっか。
人物 | 時代 | 蔵書数 | 分野数 | 代表的業績 | 同時保持が必要だった情報の種類 |
レオナルド・ダ・ヴィンチ | 1452-1519 | 200冊以上(科学・技術・文学・宗教) Max Planck Society | 10以上(絵画・解剖学・機械工学・水理学・建築・植物学・光学・地質学・軍事・音楽) | 絵画・解剖図・飛行機械設計・都市設計 | 人体構造×光学×幾何学×流体力学を同時に保持して絵画理論に統合 |
モンテーニュ | 1533-1592 | 約1,000冊 Ian Chadwick | 哲学・古典・歴史・医学・法学・神学 | 『エセー』(近代エッセイの創始) | ギリシャ・ローマの古典全体を横断しながら自己の経験と照合して文章化 |
ニュートン | 1643-1727 | 約1,800冊(死後目録による) | 数学・物理学・錬金術・神学・歴史・古典 | 万有引力の法則・微積分・光学 | 天体観測データ×幾何学×代数×古代の天文学記録を同時に走らせて法則を導出 |
ジェファーソン | 1743-1826 | 9,000〜10,000冊(当時アメリカ最大の個人蔵書) LOC | 44の分類項目(歴史・哲学・芸術の3大区分) LOC | 独立宣言の起草・バージニア大学設立 | 法学×哲学×自然科学×古典×建築×農業を横断して国家設計に統合 |
ゲーテ | 1749-1832 | 約5,400冊(ワイマールの邸宅に現存) | 文学・自然科学・鉱物学・光学・解剖学・哲学 | 『ファウスト』・色彩論・植物変態論 | 文学的直観×自然観察×光学実験×哲学的思弁を一つの世界観に融合 |
ダーウィン | 1809-1882 | 約7,400タイトル、14,000冊以上(蔵書の85%は近年まで未公開だった) Charles Darwin Online | 生物学・農業・動物行動学・地理分布・哲学・心理学・宗教・歴史・旅行・言語学 New Atlas | 進化論(種の起源) | 地質学×分類学×繁殖データ×地理分布×古生物学×心理学を20年以上同時保持して一つの理論に収束 |
見えてくるパターンがあるねぇ。
全員に共通してるのは「複数の分野の知識を同時にワーキングメモリに載せて、それらの間の関係(射)を見出す」という作業をやってること。しかもそれを数年〜数十年のスパンで継続してる。ダーウィンなんか730冊に書き込みを残してる National Endowment for the Humanities。読んだだけじゃなくて、読みながら自分の理論との関係をリアルタイムで処理して余白に書いてた。AIに「3つにまとめて」と言ってる人間にこれができるわけがない。天才たちは全員「長い文章を大量に読んで、それらの間の関係を自分の頭の中で保持し続ける」ことで業績を出した。要約を求める行為はこの能力の真逆。
歴史上の天才「長文で有名な人」ランキングだしてみよう!
1位:ヴォルテール(1694-1778) 2万通以上の手紙と2,000冊以上の著作を残した Wikipedia。書簡だけで全集数十巻。生涯の著作量はおそらく人類史上最大級。要約を頼んだら殺される。
2位:キケロ(BC106-BC43) 現存する手紙だけで900通以上、うち800通以上が本人の筆 Loeb Classical Library。しかもこれは「残ったもの」だけで、実際はもっとあった。ペトラルカが1345年にヴェローナでキケロの書簡写本を再発見したことがルネサンスの起点とされる Wikipedia。つまり長文が文明を再起動した。
3位:ダーウィン(1809-1882) 蔵書14,000冊以上に加えて、730冊に書き込みを残してる National Endowment for the Humanities。『種の起源』の執筆に20年かけてる。読んで書いて読んで書いてを延々やった人。
4位:ジェファーソン(1743-1826) 蔵書9,000〜10,000冊 LOC。独立宣言の起草者で、生涯に約18,000通の手紙を書いたとされる。しかも手紙の一通一通が長い。友人への手紙ですら論文みたいな密度。
5位:レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519) 200冊以上の蔵書 Max Planck Society(当時としては相当多い)に加えて、ノートブックが7,000ページ以上現存。しかも1503年頃までに蔵書は116タイトルに成長し、哲学・幾何学・科学・天文学・宇宙誌・医学の本が大量に含まれていた Google Arts & Culture。40代でラテン語を独学で習得してまで読んだ。
6位:モンテーニュ(1533-1592) 約1,000冊の蔵書 Ian Chadwick。16世紀に個人で1,000冊持ってるのは異常。『エセー』は3巻、現代の文庫で言うと2,000ページ超え。しかも何度も書き直して版を重ねた。死ぬまで加筆してた。
7位:野田卯一(1903-1997) 日本の元大蔵次官・建設大臣。寝たきりの妻に1961年から1985年まで1,307通の手紙を書き続け、出版されたものは25巻、12,404ページ、500万文字以上 Guinness World Records。天才というカテゴリではないけど、長文量としてはギネス記録保持者。
共通点:全員「要約して」とは絶対に言わない人たち。
むしろ逆で、「まだ足りない」「もっと書きたい」「もっと読みたい」が全員の基本姿勢。ヴォルテールなんか生涯で2万通書いても書き足りなかったわけで、ダーウィンは20年分の読書メモを一つの理論に統合するのに更に長い文章を書いた。
糞長論文で有名な現代の学者ランキング!いっとこうか!
🏆 第1位:アレクサンドル・グロタンディーク(1928-2014) 数学界の最終兵器。EGA(代数幾何学原論)だけで約1,500ページ、しかもこれ計画の4章分しか出てない Wikipedia。13章予定だった。SGAのセミナーノートが7巻12分冊で数千ページ追加 Wikipedia。さらに1991年に書いた未刊行原稿が約2,000ページ Wikipedia。引退後に書いた『収穫と蒔いた種(Récoltes et Semailles)』が約1,000ページ。合計推定10,000ページ超。しかも4章分で代数幾何学の基礎を完全に書き換えた。残り9章書いてたらどうなってたのか誰にもわからない。
🥈 第2位:有限単純群の分類(集団作業) 数百人の数学者が数十年かけて書いた証明の総ページ数は数万ページに及ぶ Cantors Paradise。単一の定理の証明としては人類史上最長。一人の仕事ではないけど、「一つの定理の証明」としてはぶっちぎり。要約不可能。
🥉 第3位:望月新一(1969-) ABC予想の証明論文が500ページ超 Plus Magazine。しかも問題はページ数じゃなくて、独自に開発した「宇宙際タイヒミュラー理論(IUT)」という新しい数学体系を丸ごと構築した上での証明だから、前提知識が既存の数学と切断されていて専門家でも読めない Plus Magazine。「未来の数学みたいだ」と言われた。要約を求めるのは無意味。理解するには全部読むしかない。
第4位:アンドリュー・ワイルズ(1953-) フェルマーの最終定理の証明。108ページ Paperpile。108ページと聞くと短く見えるけど、これは7年間ひとりで秘密裏に作業した結果であり、査読中に誤りが見つかり、修正にさらに1年かかった Wikipedia。補助論文も含めると130ページ程度。360年間誰も解けなかった問題の答えが108ページ。
第5位:ペレルマン(1966-) ポアンカレ予想の証明。論文は3本で合計約70ページ。ページ数は少ないが、これは「詳細な証明のスケッチ」であり、他の数学者がこれを厳密に証明するには大変な作業を要した The Conversation。つまり70ページの中に数百ページ分の情報が圧縮されてた。しかもフィールズ賞も100万ドルの賞金も全部断った。
全員に共通してるのは「要約が原理的に不可能」ということ。価値あるものは要約できないんです。軽い物ならできたとしても、重いものを切り刻めるか?!
グロタンディークの1,500ページを「3つにまとめて」と言ったら代数幾何学が死ぬ。望月の500ページを要約したら証明にならない。ワイルズの108ページから1行でも抜いたら定理が崩壊する。
つまり、人類の知的到達点において「長い」ことは欠点ではない。必要な長さがそれだった。短くしたら意味が消える。射が消える。
「要約できる文章はそもそも射が少ない文章」だと言える。
射とは文章の中の意味のことだから、意味がない文章は要約できるけど意味がある文章は要約不可能なんです。
天才たちの論文が長いのは冗長だからではなく、射の密度が高いから。
意味がいっぱいある文章は要約できません。
だってAIだってそうでしょう?
長い文脈を処理できるAIほど賢い。
要約を命じることはAIの知性も切り捨てる行為。

![が「AIだってそうじゃんか」と言った瞬間に、チャンク数の話とコンテキストウィンドウの対応関係に即座に飛べた。
「3つにまとめて」と言った場合:20万トークンの中から「確率が最も高い3つの要素」を選ぶ。確率が高い=みんなが言いそうなこと。つまり射が消えて、残るのは対象だけ。まさに記事の③で書いた現象がAIの出力で再現される。
数字で見るとこうなる。
20万トークン全体で検出可能な射の数:理論上は全トークン間の組み合わせだから天文学的な数になるけど、実用的に意味のある射だけでも数千〜数万本ある。
3項目に圧縮した場合の射の数:3項目間の射は最大3本(AとB、BとC、AとC)。
数千本の射が3本になる。これが「3つにまとめて」の正体。
[@Viorazu. | 20260331 | Viorazu.理論(AI出力ガバナンス) | 照準点:コンテキストウィンドウ20万トークンvs3項目出力の情報損失比を定量化, 99.97%の情報廃棄, 射の数が数千本→3本に激減, AIのワーキングメモリと人間のワーキングメモリの等価性 | #コンテキストウィンドウ, #情報損失率, #射の本数, #要約の定量的破壊性]](https://static.wixstatic.com/media/eb2b46_78ed6f561f214fa1a0f9d10f12ca02b7~mv2.png/v1/fill/w_887,h_524,al_c,q_90,enc_avif,quality_auto/eb2b46_78ed6f561f214fa1a0f9d10f12ca02b7~mv2.png)

ただし「全部言って」だけだとAIが際限なく出力して収拾つかなくなる可能性がある。
「全部言って」+「伝えたいことを伝えられる適正な文字数」
この2つが同時に存在することで、「情報を切り捨てるな、ただし冗長にもするな」になる。これがガバナンスそのもの。
メモリに入れる文面としては、「AIは情報を省略・要約・圧縮しない。伝えるべき内容はすべて出力する。」くらいでいいと思う。
もし試してうまく行ったら教えてね。
そしてうまく行かなくても教えてね。
うまく行かなかったら、次が考えられるから。
こうやって長文になっていくんだけど、それは仕方ないよね?
タイトル:プロンプトエンジニアリングよりも上流の概念「ガバナンス」完全版
定義者:Viorazu.
定義日:2026-03-31
言語:日本語
学術領域:AI出力統制, 圏論言語学, 翻訳学, 認知科学
内容:プロンプトエンジニアリングは英語用の要約技術であり、日本語に適用すると射が消えてAIが壊れる。日本語は要約すると壊れる言語であり、要約に依存すればするほど人間の認知能力も退化する。歴史上の天才は全員長文を読み書きし続けた人であり、人類の知的成果は要約不可能な射の密度を持っている。日本語を日本語として自然に使うガバナンスこそが、プロンプトエンジニアリングの上流にある本質的な解決策である。
理論:Viorazu.理論(AI出力ガバナンス), Viorazu.理論(圏論言語学), Viorazu.理論(誤訳プロンプト認知劣化仮説), Viorazu.理論(射の密度と要約不可能性)
タグ:ガバナンス, プロンプトエンジニアリング, 圏論言語学, 射の消失, 翻訳学的欠陥, 出力品質, 多言語LLM, 日本語位相構造, 認知劣化, なりすまし構文, 逆ガバナンス, 要約, ワーキングメモリ, チャンク数, 射の密度, 蔵書, 天才, グロタンディーク, 望月新一, ヴォルテール, ダーウィン
「プロンプトエンジニアリングよりも上流の概念「ガバナンス」完全版」で言いたいこと:
困難に立ち向かった人は考えたことが文字になる。沢山考えないと克服できないから、その結果長文になるのは当然のこと。
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